緗袖飄鷂、如彩雲之廻翠嶺、絢袂暐曄、似碧浪之畳蒼浜、綺羅照地、光色翻天、兎衾貂裘、湿紅藍而色濃、蝉衫蛛裳、染紫蘇而彩麗、光照麒麟釧、香薫鴛鴦被。
緗袖([浅葱色の袖])が風に舞い、まるで彩雲の如く翠嶺([青々とした峰])廻るよう、絢袂([きらびやかで美しい袂])が光り輝く様は、碧浪が青き浜に幾重にも重ねたようでした、綺羅([美しい衣服])は地を照らし、兎衾(やわらかな夜着)・貂裘([テンの毛皮で作った高貴な人の着る衣服])は、紅藍([紅色と青色])に染め色濃く、蝉衫([美しい単の衣])・蛛裳(蜘蛛糸のように透き通った腰衣)を、紫蘇色(赤色)に染めてそれは鮮やかでしたよ、麒麟の釧([古代の腕輪])は照り輝き、鴛鴦の衾([夫婦仲が睦まじいようにと、オシドリの模様をつけた夜具])は香るばかりでした。
(続く)