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無事是貴人



「玉造小町子壮衰書」序(その7)

緗袖しやうしう飄鷂へうよう、如彩雲之廻翠嶺すいれい絢袂けんべい暐曄ゐえふ、似碧浪へきろう之畳蒼浜、綺羅照地、光色翻天、兎衾ときん貂裘てうきう、湿紅藍こうらん而色濃、蝉衫せんさん蛛裳ちゆうしやう、染紫蘇而彩麗、光照麒麟くしろ、香薫鴛鴦ゑんあう被。


緗袖([浅葱色の袖])が風に舞い、まるで彩雲の如く翠嶺([青々とした峰])廻るよう、絢袂([きらびやかで美しい袂])が光り輝く様は、碧浪が青き浜に幾重にも重ねたようでした、綺羅([美しい衣服])は地を照らし、兎衾(やわらかな夜着)・貂裘([テンの毛皮で作った高貴な人の着る衣服])は、紅藍([紅色と青色])に染め色濃く、蝉衫([美しい単の衣])・蛛裳(蜘蛛糸のように透き通った腰衣)を、紫蘇色(赤色)に染めてそれは鮮やかでしたよ、麒麟の釧([古代の腕輪])は照り輝き、鴛鴦おしふすま([夫婦仲が睦まじいようにと、オシドリの模様をつけた夜具])は香るばかりでした。

続く


by balatnas | 2023-05-25 06:58 | 玉造小町子壮衰書 | Trackback | Comments(0)
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